今回の代表質問は、大まかに7項目構成でおこないました。
質問要旨・市長答弁を記載いたします。
1 地域主権改革について
(1)地方分権改革に向けた取組について
地域主権改革に関連する法案が3月5日に閣議決定され、現在、衆議院で審議されている。また、政府の地域主権戦略会議においては、国の出先機関についても地方に移管する検討などがなされており、このような国の取組に対しては、指定都市市長会や九都県市首脳会議において議論があるものと承知している。そこで、改めてこうした国の地方分権改革についての市長の見解を伺うとともに、市長が考える地方分権改革の実現に向け、今後、どのように行動していくのか伺う。
(答)初めに、地方分権改革に向けた取組についてでございます。
政府は、「地域のことは地域に住む住民が決める『地域主権』への転換」を政策の大きな柱に掲げ、国と地方の関係を抜本的に見直し、政治主導で新しい国のかたちを創るとしております。
本市は、政令指定都市に移行したことにより、県から多くの事務の権限を移譲され、地域の実情に応じた施策を講ずることが可能になりましたが、福祉、教育などの市民サービスを向上させるとともに、都市基盤の整備や産業の誘致を進めて「人や企業に選ばれる都市づくり」を目指すためには、さらなる権限や財源の移譲が必要であると考えます。
そのためには、地域主権改革は、基礎自治体優先の原則に基づいて行われるべきであり、「指定都市市長会議」においても、都道府県と同等の権限や財源を持つ“特別自治市”といった新たな大都市制度の創設についての提案があったように、県と市町村の二重構造の撤廃や必要な財源の移譲など改革が必要であると認識しております。
今後も、引き続いて国等の動向をしっかりと見据え、「指定都市市長会議」や「九都県市首脳会議」などの場を活用するとともに、あらゆる機会をとらえて、本市としての意見を積極的に発言してまいりたいと考えております。
(2)国の「義務付け・枠付け」の見直しによる本市への効果について
国の「義務付け・枠付け」が見直しされた場合、保育所などの児童福祉施設や公営住宅、道路などに係る基準は、自治体の条例により独自に基準を設けることができるようになる。また、現在、地域主権戦略会議において、更なる「義務付け・枠付け」の見直しの検討も進められている。
市長は、国の「義務付け・枠付け」の見直しがもたらす本市行政への効果をどのように認識しているのか伺う。
(答)次に、国による「義務付け・枠付け」の見直しに伴う本市行政への効果についてでございます。
現在、国会で審議が進められている法案では、国の基準を参酌しながら、地方が実情に応じて、条例で独自に基準を定めることができるものとして、公営住宅における整備基準などが掲げられております。
このほか、国の同意や協議を要するものや、計画の策定義務などについて、一部が廃止されること、国と地方の協議の場が設置されることなどが示されております。
2 国の事業仕分けについて
事業仕分けの本市への影響について
厳しい経済状況の中にあって、公共事業は、市内事業者の期待も大きいものと認識しているが、民主党政権の「事業仕分け」により、予定されていた国からの交付金の内示が出ないため、横浜市では建設事業の入札で、応札締め切り当日に入札を中止したとの報道があった。本市においても国の補助金等の交付決定の遅れなど、事務事業を進める上での影響は生じてないのか伺う。また、その影響について市はどのように対策を講じているのか伺う。
(答)次に、国の事業仕分けによる本市への影響についてでございます。
お話にございました、横浜市の事例等を踏まえまして、本市におきましても、国庫補助金等の交付決定や内示の遅れなど国の事業仕分け第一弾による影響について調査いたしましたところ、文部科学省所管の「公立学校施設整備事業」について、「補助対象を耐震化事業に特化する」という仕分け結果、その後の全国市長会の要請及び、衆・参両議院の決議等を踏まえた国の対応から、小・中学校校舎等の整備事業について、国庫補助金等の内示が遅れていることを確認いたしました。
しかしながら、4月に、文部科学省から各地方団体に対し、耐震化及び老朽化対策事業が夏休み期間中に適切に執行されるよう、契約準備行為等所定の手続きを進めてほしい旨、通知が出されたところでございます。
このことを踏まえ、本市におきましては、相模原市予算規則第21条で定めている「財源確定前執行伺」により小・中学校校舎等整備事業にかかる予算執行の手続きを行いました。
なお、「財源確定前執行伺」による事務手続きにつきましては、5月26日付けで、改めて庁内への周知徹底を図ったところでございます。
今後につきましても、国や他の自治体の動向に注視し、適正な事務執行に努めてまいりたいと考えております。
3 区の機能と区民会議について
(1)市民に便利な区役所機能について
ア 本市は、3区体制で、また、各区には、地域政策課、総務課、区民課の3課を配置してスタートしたが、今後においても本庁業務についての見直し・検証を行い、本庁は極力スリム化し、区にできるだけ多くの事務を移管していくことが必要と考えるが、市長の見解と、今後の対応について伺う。
イ 現行の組織体制では、局長級である区長の不在時の代理決裁は、課長になるものと想定しているが、総括的な視点から問題はないのかと危惧する。今後の区への事務移管とともに、部長級である副区長の配置についても検討すべきと考えるが、市長の見解を伺う。
(答)次に、区役所への事務移管と副区長の配置についてでございます。
本年4月に設置した区役所におきましては、区政に関する政策立案や区民会議の事務局を担う地域政策課、区内の総合調整や防災対策等を所掌する総務課、各種証明書の発行など窓口サービスを行う区民課を設置するとともに、区のエリアごとに税務、福祉、土木を所管する組織を置くことによりまして、総合的な市民サービスを提供できる体制としたところでございます。
今後につきましては、区役所を、地域の特性を活かしたまちづくりを総合的に進める拠点とするとともに、さらに市民の利便性が向上するよう、地域のニーズと効率的な行政運営の両面に留意しながら、本庁及び区役所の業務のあり方を検証してまいりたいと考えております。
また、副区長の設置につきましても、こうした業務のあり方の検証を踏まえつつ、検討を進めてまいります。
(2)区民会議の準備状況と在り方について
ア 各区における区民会議の設置に向けての準備状況を伺うとともに、区民会議における女性委員の考え方や公募委員の応募状況と選考の経過と結果について伺う。また、それぞれの区が特色を出すために、委員の選考に当たっては、どのような工夫や配慮がなされているのか伺う。
(答)次に、区民会議の準備状況と在り方についてでございます。
区民会議につきましては、現在、各区におきまして、7月末の設置を目途に、最終的な委員選考の調整を行っているところでございまして、委員の男女の構成比につきましても、配慮してまいりたいと考えております。
また、委員の公募でございますが、4月15日から5月14日までに、各区3名の委員を募集いたしましたところ、緑区14名、中央区18名、南区32名の応募があり、市民の皆様の関心の高さがうかがえる結果となっております。
選考につきましては、6月1日に学識経験者2名と区長からなる「公募委員選考委員会」を開催し、あらかじめ提出いただいた論文の内容などの審査を行い、決定したところでございます。
また、公募以外の委員の選考にあたりましては、区内の事業者や大学からご推薦をいただくなど、各区の特色を活かした委員構成に努めているところでございます。
イ 区民会議に諮問する事項について、市長は、その内容や範囲について、具体的にどのように考えているのか、見解を伺う。
(答)次に、区民会議への諮問事項についてでございますが、各区のまちづくりに関わる重要な構想や計画などを想定しており、最初の諮問事項といたしましては、区民と行政の協働によるまちづくりの方向性を定める区のビジョンを予定しております。
また、各区のまちづくりに関わる施策や事業につきましても、区民会議への情報提供を随時行うとともに、事案に応じて区民会議の場で各委員のご意見をいただき、施策に反映してまいりたいと考えております。
4 暮らし先進都市について
(1)保育所待機児童解消緊急対策検討PTについて
ア 本市は、平成26年度に待機児童を解消する目標を定めた後期保育計画を本年3月に策定したが、今年の4月1日現在の待機児童数は、514人と昨年に比べて75人も増え、目標達成を非常に危惧している。改めて、待機児童解消に向けた市長の決意を伺う。
(答)次に、保育所待機児童解消についてでございますが、本市では、保育所の新設、公立保育所の民営化に伴う定員拡大などにより、昨年度、245人の定員増を図りましたが、本年4月1日の待機児童数は、75人の増加があり、514人となっております。
本年3月に策定いたしました後期保育計画では、「保育所の新設、再整備等による受入れ枠の拡大」や「認定保育室、幼稚園型認定こども園の活用」などの施策を進め、平成26年4月に向けまして、約1,000人分の受入枠の拡大により、待機児童の解消を図るとしているところでございます。
また、新たに、庁内横断的な、保育所待機児童解消緊急対策検討プロジェクトチームを発足させることとし、これまでの取り組みに加え、様々な社会資源を活用して、創意工夫を生かした即効性のある新たな施策など、 効果的な方策を検討し、待機児童解消に向けた積極的な取組みを推進してまいりたいと考えております。
(2)暮らし満足向上のための条例検討PTについて
厳しい社会経済情勢が続く中、市民福祉の向上と暮らしの安定化を図るため、自治基本条例など市民生活に密着した条例の検討を進めるとのことであるが、具体的にどのような条例をどのような手法で検討していく考えなのか。また、これまでの本会議でも議論になった、里地里山の保全に関する条例や盛土等の規制に関する条例などについても、このプロジェクトチームで検討していくのか伺う。
(答)次に、暮らし満足向上のための条例検討プロジェクトチームについてでございます。
このプロジェクトチームにおいては、市民福祉の向上と暮らしの安定化を図るため、市民生活に密着した(仮称)自治基本条例、(仮称)公契約条例、(仮称)路上喫煙防止条例について、各々の部会を設置して検討していくものでございます。
検討に当たっては、関連する部門の職員に、公募による若手職員を加え、庁内横断的に職員の力を結集することにより、先進事例の研究や課題の整理、
市民参加の方策などについて、検討を行ってまいります。
お話にございました、(仮称)里地里山条例や盛土等の規制に関する条例につきましては、平成22年度内の制定、改正をめざして、検討を進めているところであり、このプロジェクトチームでの検討とは別に、取り扱うものでございます。
5 高齢者介護の施策について
(1)夜間対応型訪問介護について
地域密着型サービスの一つである「夜間対応型訪問介護」については、現在、各自治体において事業者を募り、事業を展開している自治体も少しずつ増えている。本市においても、このような施策を展開することにより、特別養護老人ホーム待機者などに安全・安心を与えるとともに、在宅で高齢者を支える家族の支援にもつながると考えるが、市長の見解を伺う。
(答)次に、夜間対応型訪問介護についてでございますが、在宅の高齢者が24時間安心して暮らせるよう、夜間の排泄介助や、転落・転倒時の介助など、深夜・夜間帯におけるサービスを提供するもので、現在、市内で初めての事業所が8月の開設に向けて準備を進めているところでございます。
今後は、夜間対応型訪問介護の利用状況等を踏まえ、適切なサービス提供量の確保に努めてまいりたいと考えております。
(2)小規模多機能型居宅介護について
第4期の高齢者保健福祉計画では、小規模多機能型居宅介護については、平成21年度から23年度までの3年間で2箇所ずつ、合計6箇所整備する計画となっているが、2箇所ずつの整備で需要に対応できるのか、また、計画どおりの整備が進んでいるのか伺う。
(答)次に、小規模多機能型居宅介護についてでございますが、平成21年度末現在、2箇所が開設されております。
本年度には、グループホームとの併設による事業所が4箇所整備される予定となっており、計画どおり整備が進んでいるところでございます。
今後も、計画どおりの整備が見込まれ、第4期計画期間中の利用ニーズに対応できるものと考えております。
6 新型インフルエンザ対策について
本市の取組状況について
専門家の指摘によると、新型インフルエンザウイルスが数年内に消滅することが考えられない中では、流行を繰り返し、季節性のインフルエンザになっていくとされ、今のうちに対策を考えるべきとの指摘がある。
特に、重症化のリスクのある人たちへのワクチン接種などは、今すぐ取り組むべき課題とも指摘されているが、現状、本市では、どのような対策を講じているのか伺う。
(答)次に、昨年大流行した新型インフルエンザ対策についてでございますが、今のところ沈静化している状況にあるもののご指摘のとおり、昨年、かからなかった方を中心に今後、再流行する可能性がございます。
このため、引き続き、市民の皆様に感染予防の基本である手洗いの励行や症状が出た場合のマスクの着用、せきエチケットの実施について、広報紙やホームページ等を通じて呼びかけてまいりたいと考えております。
また、新型インフルエンザワクチンにつきましては、現在も取扱い医療機関において、希望者に対して接種が可能となっております。
なお、本年の秋からの季節性インフルエンザワクチンは、新型インフルエンザとの混合ワクチンとなる見込みであり、この混合ワクチンの接種については、今国会において審議中の予防接種法の改正に伴い、実施主体が市町村となる見通しとなっております。
このような中、引き続き、新型インフルエンザ対策本部のもと、危機管理監や保健所をはじめ、全庁一丸の体制で、新型インフルエンザの予防と蔓延防止に取り組んでまいります。
7 教員の人事と給与の一元化について
県の方針と本市の見解について
人事権者と給与負担者が異なる「ねじれ」については、先般、これを一元化するべく、神奈川県知事が文部科学省に提案し、共同研究することで合意した。
また、平成24年4月を目途にとの動きもあり、既に横浜市や川崎市の教育委員会は、国に要望書を提出している。人事権者と給与負担者の一元化の見解を伺うとともに、市はこれまで中核市市長会の一員としてこの問題にかかわっていたことは承知しているが、改めて、政令指定都市・相模原として文部科学省へ要望書を提出するなどの行動を起こすことについて伺う。
(答)次に、教員の人事と給与の一元化についてでございますが、現在、政令指定都市における県費負担教職員の人事権は政令指定都市が有し、県が給与負担をしているため、任命権者と給与負担者が異なるといういわゆる「ねじれ」状態にあります。
県におきましては、この「ねじれ」状態を解消するため、給与負担とその財源を政令指定都市に移譲するよう国へ要望するとともに、全国知事会や全国都道府県教育長協議会などを通じて、
国へ働きかけていると承知しております。県費負担教職員の給与を負担することにつきましては市財政の根幹を揺るがす問題でありますので、本市といたしましては、政令指定都市への給与負担の移譲に際しては、退職手当などを含む所要額全額について、安定的かつ恒久的な税財源の県などからの移譲が前提になるものと考えております。
今後、指定都市市長会などを通じて、自主的・主体的な教育行政を展開できる十分な税財源措置がなされるような制度設計を国に要望してまいります。
近い内にネット中継にアップされますので、2問目以降もご確認ください。
http://www.gikaitv.net/dvl-sagamihara/2.html
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